「夫婦同姓」義務化は「唯一日本」だけ、いつまで続ける?

2024年10月国連の女性差別撤廃委員会から4回目の選択的夫婦別姓の導入を勧告された日本。

先日経団連の会合で話し合われたテーマが選択制夫婦別姓の早期導入でした。長い間いわゆる
「保留」になっていたこのテーマ。経団連での会合では“なぜ反対なのかわからない”という
感想が多く、政治家はなぜ法律を変えないのか?と、多くの女性管理職はクビを傾げました。

結婚の業界にいる私達はその現実がわかります。結婚式で行われる「手紙や両家への花束贈呈」など、女性が嫁ぐという家族の新しい旅立ちに感動を覚えます。人の人生が形を変え、変化していく瞬間に立ち会う私達は、その覚悟や愛情を見てきました。
ですから、法律が変わることによって、家族制度が希薄な方向に変化してしまうのでは?という懸念も想像できますし、同じ気持ちになります。

ですが一方では、女性が自分自身として人生を生きるという信念をもって、自身が生まれる前から家族が使い続けている姓のまま結婚したいという女性の存在もリスペクトします。
「すべてが多様性」という難しく不安定にも思われる世界に足を踏み入れる不安もありますが、時代が進化しようとしているという自然な流れに従ってみる勇気を、社会全体が持つことでしか未来につながるパスポートを得ることはできないと思います。


2025年はチャレンジの年。政界の実力ある方々に期待します。
来年こそ勇気を出して変化を選択しませんか。

阿久津五代子

✳︎女性の姓についてこれまでの流れ
江戸時代 平民は氏を名乗れない。武家の女性は結婚後も実家の氏を名乗ことができる。
1870年 平民に氏の使用を認める
1875年 徴税、兵籍管理の都合上、氏を義務化
1876年 夫婦別氏=妻は実家の氏を用いることを規定
1896年 旧・民法が夫婦同氏(妻は夫の家の姓を)を規定
1947年 「夫または妻の氏を称する」として、夫婦同氏を規定
1985年 女性差別撤廃条約締結

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