人間に寿命があるように、企業にも寿命がると言われています。
1983年に日経ビジネスが掲載した「日本企業寿命30年説」、2018年に東京商工リサーチが調査したデータがその数字を裏付けています。
では、アメリカの企業はどうでしょう。1995年に「Fortune500」(※フォーチュン誌が全米上位500社総収入ランキング)にランキングされた企業で2022年の段階で残っている企業は、わずか60社です。大企業の寿命は15年程度とも言われています。
今回、9月から約2か月弱NYとLAに出張しました。
2020年、だれも経験したことのないようなパンデミックが起こり変化した環境。
世界経済の中心、NYはどう変わったんでしょうか。
パンデミックがきっかけで多くの人たちが自分の国に帰ってしまったニューヨーク、と同時に又、新しくニューヨークにやってくる人たち。今、街を歩いていても日本人に合う事は殆どありません。以前に比べると、日本人はとても少なくなっているようです。現在円安で日本人観光客が少ない事もありますね。(NYは物価が高騰しているのでダブルですね)
NYでは、分かりやすく且つ、エネルギーみなぎるものが、求められてるようです。普通に「良い」は見つけてもらえません。際立つわかりやすさ、際立つ感動など誰もがパッと引き付けられるダイナミックなもの、例えばCharging Bull, アーティフィシャルフラワーのエントランス装飾。ウエディングドレスであれば、キラキラしたビュジューや光に反射するゴージャスなレース、本物のふわふわのファーをあしらった大胆なカットのデザインなど。
一方では、NYの街の建物や内装、物の配置など多くのものがザックリとおおざっぱです。人々は自分の為に自分の環境を守るということを第一にしています。様々な考えの人たちが同じ空間に同時に存在しているので、そうしなければならないのだと思います。
対して日本は似た価値観の人たちが集まっています。ですから安心してチームを作り、安心して目標に向かって前進できます。そして、結果として、日本らしいおもてなしという気配りを、国民が一つになり実践しています。
私達の業界の30年を振り帰ってみると、日本の中にある丁寧で細やかな仕事や気配り行動、日本の「ウエディング」という、他の国から見るとちょっと特殊な「文化」も、コロナ禍以降、改めて思い返してみると、日本のウエディングは、他国では真似のできない細やかで思いやりのある素晴らしいものだと、これは正に日本の無形文化財と言えると思います。この文化をいつまでも残せたらいいな・・・と思います。
日本に住んで日本国内でビジネスをしている私にとって改めて気付かされたことでした。
私は今、日本のウエディングを、もっともっと極めて「感動ポイントが、各々の個性とあいまって確立されていくウエディングスタイル」を生み出したくてしょうがない気持ちになっています。
2023年9月30日 NY
阿久津五代子