Penに掲載されたOFUKUの記事

2015年、なにやらそわそわしますね。

2度目の東京オリンピックまで後5年。

いろいろと準備することが沢山あるはずなのに何からやっていいのか、そわそわしますね。

私達のフィールドであるサービス業(婚礼業界)も変化の時を迎えています。
15年?20年この間にニーズは様変わり、提供するものも、明らかに変化します。

私達は、また、原点を見つめ直さなければならない時・・・
そんな折、私も愛読している大好きな雑誌「Pen」編集部から
STの象徴!(笑)OFUKU&長谷川高士が取材を受けました。

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かなりインパクトのある濃い内容です。是非ご一読ください。

艶やかな着物にしとやかな所作、張りのあるテノールボイスで祝いの口上を述べる、「お福」。非の打ちどころのない女形姿に身を包んだこの人物は、司会者で結婚総合プロデューサーの長谷川高士さんだ。彼はこれまで有名人やセレブリティカップルを含む3500組以上の披露宴を手掛け、その傍ら、人々に福をもたらす縁起モノとして、結婚式や祝いごとの場を華やかに盛り立ててきた。

「ブライダルの仕事を始めたばかりの24年前。家具屋だった実家がバブル崩壊の煽りで借金を抱え、連帯保証人の私は20億円の借金を背負ってしまいました。路頭に迷う寸前でなかば自暴自棄になりかけていた時に、ふと学生時代に芝居で使っていたかつらと衣装が目に入ったのです。気がつくと私は現実から逃れるようにしてその衣装を身に着けて、女形の出で立ちで銀座へと向かう電車に乗っていました」

女装姿の長谷川さんが、電車の中で「なんでこんな格好で出てきてしまったんだろう・・・」と後悔したことは言うまでもない。乗り合わせた人々は気まずそうに目をそらし、子どもの手を引いて他の車両に逃げていく人もいたという。

「でも銀座に着いてうろちょろしていると、ひとりの若い女性が声をかけてくれました。その日は彼女とひとしきりおしゃべりをして、それから毎週のように会うようになりました。私を見て目をそらす人もいれば、私といるだけで楽しんでくれる人もいる。自暴自棄とはいえ自分の殻を破ってみると、実は幸と不幸は紙一重のところにあって、自分の気持ち次第で幸せになれることを発見したんです」

いつしか長谷川さんは女装姿の自分をお福と名乗るようになり、縁起モノとしていろいろなパーティに呼ばれるようになった。自身が手掛ける披露宴でもお福は絶大な人気を博し、気が付けば彼の会社は業界の最大手に名を連ねるまでに成長していた。

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人を幸せに導くことを生業とする長谷川さんだが、実は彼自身も、離婚という苦い経験を味わっている。しかもその離婚相手というのが、現在でも長谷川さんのビジネスパートナーである阿久津五代子さんだ。

「阿久津さんと夫婦だった時は、自分の生き方がこうだとか、夫婦とはこうあるべきだとか、お互いが凝り固まった頭で物事を考えていました。だからうまくいかなかったのですが、離婚をしてその殻が破れてみると、阿久津さんとの関係は非常に良好なものとなったのです。いまでは彼女の再婚相手や3人の子どもたちと、お互いの家を行き来する家族同然の仲です」

長谷川さんは借金と離婚という二つの出来事によって、不幸のすぐ裏側にある幸せを見つけることができた。その経験を踏まえたうえで今まで関わってきた数千件の結婚のあり方を照らし合わせてみると、幸せな夫婦生活を実現するためには、凝り固まった自身の殻をいかに打ち破るか、その努力が必要であることを改めて痛感した。

「相手に自分の理想ばかりを追い求めていては、夫婦生活はなかなかうまくいきません。私は借金で自分を見失いかけた時に、他人を見ることで幸せを見つけました。それとは逆に相手の行動にイライラしたときには、一度自分自身をじっくりと見つめてみましょう。自分にもたくさん弱点があることに気が付くはずです。夫婦お互いが相手の弱点を受け入れることさえできれば、幸せはすぐそこにあります」

育ちも性格も違う二人が生涯を共にする結婚生活においては、無数にある相手との違いを並べるよりも、数少ない共通点に喜びを見いだすほうがはるかに有意義な行為ではないだろうか。自分の型に相手をはめようとするよりも、二人だけの型をつくり上げたほうが幸せになれるのではないだろうか。白塗りの顔に満面の笑みを浮かべた縁起モノは、そんな夫婦のあるべき姿を教えてくれている気がする。

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